げんろんのじゆう

人生は与えられたカードでの真剣勝負

読書録 21/12

12月は3冊読みました。

 

桃太郎、つるの恩返しなど誰しもが知っている日本昔話を題材にしたミステリー短編集。それぞれの世界設定を活かしつつ(時には拡張しつつ)きちんとトリックに結びつけているのが素晴らしいですし、それぞれフーダニット・倒叙など趣向を変えているのがニクいところです。

個人的には登場人物や舞台の配置が分かりにくい作品もあり、一寸法師の話が一番好きでした。

 

杉村三郎シリーズの第1作。分かりやすく華があるタイプの作品ではありませんが、世界観や登場人物への入り込みやすさはおそらく筆力によるものなのでしょう。いわゆるミステリーというよりはハードボイルド物として読みましたが、面白かったです。読みやすさに反して、こういう作品はある程度年齢を重ねてからの方が読む時に色々考えさせられることが多い気がします。

 

僕の最も好きな小説家であるところの伊坂幸太郎が「小説の面白さ」をテーマに、自分がとにかく好きな短編をセレクトしたという短編集(の1冊)。

泡坂妻夫『煙の殺意』、宮部みゆきサボテンの花』、所収作を読む前の前提知識用に収録されていた 芥川龍之介杜子春』は既読、それ以外は初読でした。面白さや解釈がよく分からない作品の方が多かったものの、そうした自分では手に取らないタイプの作品に触れる機会が持てたという意味では全体的に楽しく読めました。巻末に伊坂幸太郎の各話への感想・逸話が載っており、そちらと併せて読むことでより楽しめました。

 

2021年は映画に大ハマりしたり時折ゲームに集中する期間があったのもあり、通算読書数は42冊と伸び悩み。数はそれほど気にしている訳ではないのですが、やはり目安として50冊くらいは読みたいのと、読みかけ・積みっぱなしの本が多いのを何とかしたいところです。

潔く2022年に期待。