げんろんのじゆう

人生は与えられたカードでの真剣勝負

読書録 21/10・11

10月は3冊、11月は1冊読みました。

 

本屋大賞受賞作ということで気になっていた作品。あらすじは敢えて割愛しますが、とても面白くていい話でしたし読みやすかったです。テーマ自体は重いものですが、『正欲』と同じくマイノリティの(あるいはマイノリティへの)まなざしを持つうえで大事なことが書いてあると思います。

 

表題作を含む短編集なのですが、こちらの数編を組み合わせてアレンジした映画『ドライブ・マイ・カー』がとても素晴らしかったので原作を読むべく購入。映画が3時間超と大変長かったので当然原作とは筋が違っているのですが、それぞれの良さがあるというか、よくこれらの短編をまとめて1本の長編としての良さを引き出したな…と感嘆します。

原作の方ももちろん短編としての良さがあるのですが、どうしても観た順番のせいもあって、映画に関わってこない話の方が短編としては印象に残ってしまいました。村上春樹はどっぷり浸かれる長編の方が好みではあるのですが、短編やエッセイも独特の雰囲気が崩れないのがすごいと思います。

 

就活の最終選考として行われるGDで6人の大学生がそれぞれの裏の顔を暴き…というミステリー。あらすじ、タイトル、装丁などからキャッチーさを感じて正直舐めていたのですが、実際前半までは「はいはいそうなるよね」と読んでいたのですが、後半に進むにつれて心の中で「やるやん!」を連呼していました。伏線の張り方も丁寧だし結末も含めて正直面白かったです。ひとつ物語の後半で良い意味で気になった点があったのですが、ネットで感想を漁っても誰もその点に触れていなかったので、読み終えた人がいたらぜひ話してみたいです。

 

ネタバレ怖くて感想書きづらいタイプのミステリー。トリックに関しては個人的にはスッキリ感がなくイマイチでしたが、それは後世の類似作品を読んできているからかもしれません。初出が80年代らしいのでそれを考えると斬新だったのかもしれません。その辺り詳しくないのであれですが…

 

地元かつ都会に戻ってきて家の内/外にかかわらず終業後や休日の過ごし方が変わってきたので意識しないと読書できない日々。家で時間をとるか電車などの移動時間を活用するかの2択かなと思っています。