2月は7冊読みました。
名作の呼び声高い恋愛小説。ネットで調べて一番おすすめされてた翻訳がこれだったからこれにしたけど、欲を言えば、聞き慣れた『高慢と偏見』のタイトルで読みたかったです。
古典と言っていいのかは勉強不足で分からないんですが、名作と言われるだけあってストーリーは王道で綺麗。でも上述の時代性的なところで世界観が確立されてるし、時折挿入されるユーモアや皮肉のおかげで全く飽きませんでした。
貴族社会・階級社会が物語の背景として大前提にあって、時代や国が違うことから多少の読みづらさはあったものの、むしろそこを興味深く読めたので大してマイナスの意味では気になりませんでした。
当然ながら発売当時の英国人たちにとっては当たり前?の世界観だろうし、当時の王道とは何ぞや的な話もあるし、その人たちと僕とでは全然感想が違うんだろうな〜。
21歳で芥川賞受賞、というニュースで知ったけど、タイトルと装丁からして十分にキャッチーで興味がそそられました。平成−令和の時代の一面が鮮やかに切り取られていて、ある意味では青春小説で、ある面では社会派小説でもありました。文章も大変に達者で、色彩も豊かだしストーリーの緩急も絶妙。
「推し」への強い思いに溢れる主人公は発達障害なのか現実社会での生活に適応できてないんだけど、細部がいちいちリアルで刺さる。現実に溺れても推しがいれば生きていける、推しがいるから生きていられるという希望の側面もあれば、推しという存在に囚われすぎている(ことに本人だけが無自覚)という絶望的な側面もあって、感想をひとことで語るのは難しいです。同じく芥川賞を取った『コンビニ人間』がよぎったり。
ファンやオタクといった概念と「推す」という言葉が結びついて広まったのは体感2010年前後5年くらいのことだと思うけど、ネットやデバイスの普及とともに恐ろしく加速したことを再認識しました。将来この本が当時の社会を映す古典のひとつとして扱われることを望むような、望まないような。
「Anotherなら死んでた」が有名すぎて名前だけは知ってた作品。実際とにかく人が死にます。
多分苦手ジャンルなのでホラー系作品読んだことなかったけど、文体が読みやすいので意外とさくさく読めました。綾辻行人お得意のアレも後半に出てきて、ドハマりって感じでもないけど普通に面白かったです。続編も機会あれば読もうかな。
(書きたい訳では)ないです。
書き手の心情・悩みや小説の構造的なところを目当てに読み始めたところ、良質なブックガイドにもなっていることが判明。ネタバレだけ怖かったけど、当然ながらそこはきちんと配慮されていて、愛を感じます。
1箇所だけ(予告ありで)ネタバレ箇所があり、未読作品だったのでそこは飛ばしたのですが、それをこの本に挿入してくるというだけで作者の「どうしても伝えたいんだ!」って叫びが聞こえてくるようでした。そこで挙げられてた作品は優先的に読んで、この箇所を早く読めるようにしたいです。(ちなみに連城三紀彦)
全体的に基礎的な話メインではあるのですが、書き手視点でも読み手視点でも参考になるところが多く、ページ数は多くないながらも満足度の高い1冊でした。
小学生ぶりに再読。殺し屋たちの群像劇サスペンス。あるいはハードボイルド。
伊坂幸太郎は最も好きな作家の一人なのですが、初読時は正直面白さが分からず、好みではありませんでした。昔読んだときは拷問シーンで気分を害した記憶があります。(今読むとそうでもなかったけど)
昔親友におすすめされたこともあり、世間での評判も高いようなので再読に至った次第ですが、結論から言えば以前とほぼ変わらない感想でした。文章の妙はあるものの、展開やラストもしっくりこないしキャラクター同士の絡みに驚きもワクワクも感じず。
とはいえせっかく読んだので今まで遠ざけてきた続編2作を何年越しかで読めるチャンスなので、落胆より期待の方が大きいです。
宮部みゆきの長編デビュー作。犬視点という語り口がそこまで活かされてる感はなかったものの、流石のクオリティ。ただ爽快感を得られる終わり方ではなかったので何とも…
今月は旅行行った訳でもないのに珍しくいっぱい読みました。その時したいことをする!という方針で娯楽を選んでいるので、しばらくこの流れが続くといいなと思います。