げんろんのじゆう

人生は与えられたカードでの真剣勝負

読書録 20/5

5月は8冊読みました。

 

500〜600ページの文庫×6冊という長編。一人の生徒の死をきっかけに色々な思惑が絡み合い、事態は前代未聞の「学校内裁判」へ… という話。ストーリーが面白いのは当然ながら、登場人物の内面が掘り下げられる群像劇としても魅力的。シリアスとユーモアのバランスも絶妙。さらに心理描写や人間関係にとどまらず、当時(バブル期)の社会まで非常に巧みに書かれていて言うことありません。本当に面白かったです。

中学3年生たちが優秀すぎてびっくりなのですが、それを不自然に感じさせないのはやはりそこに至る過程や当人たちの内面がきちんと描かれているから。もともと並外れた実力なのは知っていましたが、こんな長い作品をしっかりと仕上げているのは脱帽です。構想に15年かかったという話を聞いたときは笑ってしまいましたが、もともと連載作品なのに物語の展開上アドリブで展開できる話ではないことからも、最初の構想がしっかりしていたんだろうなと思います。

かなりの長さですがそれは上記の必要な描写のためだと思いますし、文章は読みやすいのでおすすめしやすい作品です。むしろ「もう終わっちゃった、もっとこの作品に浸っていたかった…」と思わされずに済むとポジティブに捉えられるかもしれません。(それでも読み終わった時には思ってしまいましたが)

文庫版では20年後を描いた中短編も収録されているのでさらにお得な気持ちで楽しめました。

 

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)
 

オードリー若林のコラム用エッセイをまとめた本。陰キャサイドで誰もが感じるようなことがたくさん書かれており、共感にニヤついたり共感性羞恥に震えたりしました。

漫才だけでなくトークやバランス感覚にも優れててネガティブやサブカル感が入ってる筆者なので当然外してはこないのですが、あまりに一編一編が短くて少し残念に感じました。まあ軽くて読みやすいのは良きかな。

他に小説?も出してたと思うので、もう少し長い文章で読みたい人だと思いました。

 

高校時代に自分の体験した実話が本になりました。主役は同期と先輩なので僕は名前すら登場してないけど、読むしかねえ。

こういうのって大抵変に誇張してたり編集してたりするイメージがあったんですが、しっかり取材したんだろうなということが伝わってくるいい話でした。もともと小中学生をターゲットにしているであろう本なので、文章も読みやすい。いくつかシリーズがあるらしくこれは部活の大会とかで壁を乗り越える系のオムニバスだったのですが、母校のエピソード以外も面白かったです。

自分の高校時代は部活エピソードに絞ると本当に青春そのもので、「事実は小説よりも奇なり」的な感じで某漫画よりも間違いなく熱かったです。でも、それと同じように劇的な青春や、あるいは静謐で味わい深い青春を同時代に生きてる人たちがそれぞれの形で経験してるんだなということに気づき、その発見(知覚)が個人的には結構面白く感じました。

 

 

5月は大人しくステイホームしてたGWにソロモンの偽証にどっぷりハマったおかげで、休日を無駄にせず済みました。まあそこに合わせられるよう調整したんですけど。

後半はゲームや動画に時間を割いてしまったのでそんなに読めず。実は途中まで読みかけた本が5冊を超えていたりしますが…

あー早く旅行行きたい!!