げんろんのじゆう

人生は与えられたカードでの真剣勝負

読書録 19/11

11月は5冊読みました。

 

傲慢と善良

傲慢と善良

 

タイトルに『高慢と偏見』っぽさを感じてたら正解でした。辻村深月はざっくり平和系とシリアス系があって、個人的には彼女の書く平和系は大好きでシリアス系は割と苦手です。この作品は恋愛小説ということもあって前者かなと思ってたんですが、予想を大きく裏切られました。人は死にませんが。

人間の汚いところとこ弱いところとかの心理をグサグサ刺してえぐってくる感じで、朝井リョウがよく若者に刺さりそうなやつ書いてますけど(大好物だけど)あんなのかわいいもんだなと思いました。生々しさが違う。まだ結婚を強く意識する程でもない年齢の男性である僕でこれなので、女性とかアラフォーの人とかが読んだらもっと食らうものは多そう。

節々で色々考えるきっかけとしては面白く読めましたが、期待してた平和系エンタメとしては楽しめず、無防備に読んで刺されすぎたというのが実感です。

 

メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

 

前回読んだ『カササギ殺人事件』が面白かったのと、書評が魅力的だったので期待して。結論から言うとフーダニットとして結構面白かった。主人公がワトソンポジなだけあってところどころホームズへのリスペクトが見えます。作者が自らの名前を使って主人公になるタイプの作品ってそんな好きじゃないんですが、これは実際に自分が手掛けた作品の名前とかをいい感じに散りばめて現実とリンクさせてるらしく、その辺の知識がある人にはより深い楽しみ方があるんだろうなと思いました。

 

べらぼうくん

べらぼうくん

 

京都駅の本屋でサイン本を見つけたので思わず購入。ふわふわしすぎず地に足着きすぎずの文体が好き。半生を振り返ってのエッセイなんですが、就職したところで僕と業種や境遇がかなり似ててその点かなり楽しく読めました。

 

恋のゴンドラ (実業之日本社文庫)

恋のゴンドラ (実業之日本社文庫)

 

ミステリーというにはライトなので、いわゆるエンタメ小説という感じ。東野圭吾の軽妙系はそんな好きでもないんですけど、世界狭すぎてくだらなくて笑えました。あと人の性格ってそんな簡単に変わりませんよね。

 

麦本三歩の好きなもの

麦本三歩の好きなもの

 

ほのぼのサブカル系の主人公をゆるーく描いた連作短編。各章のサブタイトルが「麦本三歩は◯◯が好き」で統一されてるんですが、◯◯に入るのが「図書館」「ブルボン 」「魔女宅」といーい感じのセンス。分かってるというべきか狙ってるというべきか。

文章も最初は狙いすぎてあざとく感じたけど、途中からは慣れてきて楽しく読めました。面白い!というよりは雰囲気重視タイプの日常小説でした。

 

 

今月はポケモンの新作が発売されたこともあって、というかそれがほぼ全てなんですが、本読む暇がありませんでした。というか本は読むけどブログ書く暇がありませんでした。

とはいえ外出の機会が多いので読むのもそのタイミングで、って感じですね。いつでもポケモンしたいからSwitchを持ち運ぶ用のケースとかLiteも買ったけど、ファミレスにしろ電車内にしろデカいし目立つしで恥ずかしくてできません。

まあハードカバーも持ち歩けないので文庫か新書に限られちゃうけど、色んな意味でやっぱ旅行には本ですね。