げんろんのじゆう

人生は与えられたカードでの真剣勝負

読書録 19/7・8・9

7月は2冊、8月は6冊読みました。9月は読みませんでした。

これ定期記事のはずなのにサボっちゃいました。

 

ずっとあなたが好きでした (文春文庫)
 

ミステリーで有名な作家の恋愛小説。恋愛小説はあまり好まないんですが、歌野晶午好きだし…でもまあジャンルも違うし知れてるか…と思いきや、さすがの筆力。あんまり書くとネタバレになるのでこれ以上言えないんですが、ネタバレを気にするってことはそういうことです。

この手のはここ数年でだいぶ読んできた気がしますが、個人的には結構な当たり。そろそろ細部忘れたしもう一回読み返そうかな。

 

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

 

ファンタジックなんだか青春なんだか何とも分からない世界観に包まれながら、分かったような分からないような終盤を迎えまして、正直微妙でした。シリーズ物らしいので続編を読めばいいのでしょうが、持って回った言い回しをするキャラたちにいまいち魅力を感じられず、あまり食指が動かない…

タイトルとジャケットは結構好きなんですけどね。あと、この作品の感想や解説を求めてネットをさまよっていたら「セカイ系」という言葉を初めて知りました。とはいえ説明読んでもピンとこなかったけど、ラノベ自体ほぼ読まないし仕方ないんでしょうかね。

 

悪いものが、来ませんように (角川文庫)

悪いものが、来ませんように (角川文庫)

 

叙述トリックで有名な作品という知識は持って読みました。いわゆる驚きポイントのうち先に明かされる方はなるほど!!!!ってなったんですが、後の方が深読みせずとも予想できる範囲だったのでちょっとがっかり。あとイヤミスなのか感動で締めたいのか分からず、最後ちょっと冷めてしまいました。

十分に面白かったけど、個人的にはできたら先に明かされる方をメインにどーんと据えて『葉桜の〜』くらいガッチリやってほしかったところ。贅沢か。

 

天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)

天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)

 

いい意味で軽めの文体からか、読みやすいのにしっかりハードボイルド。後で知ったんですがシリーズ数作目なんですね。前作から読んでたらモブにしては出番の多いサブキャラにももう少し色々思いながら読めたのかもしれませんが、単体で読んで十分楽しめました。

ハードボイルドはハマってガツガツ漁るジャンルではないんですが、たまに読みたくなりますね。有無を言わさずかっこいい。

 

クジラアタマの王様

クジラアタマの王様

 

マイフェイバリット作家の最新作。

期待度が高いこともあって話の筋自体はまあまあ。終盤の見せ場のシーンはいいけど、全体として必然性というか理由づけというか納得感の弱さのようなものが引っかかりました。らしいっちゃらしいのだけど、面白めな題材をもっときれいに調理できる人だと思ってます。ただ風刺的な描写とか、伊坂作品の根底に通じる正義への熱さみたいなものは好きでした。

ただこの作品の魅力はそこじゃなくて、何と言っても小説の合間にコミックパート(無声)を挟んできたことでしょうね。これ自体僕はあまりハマらなかったし、もっと上手くできたのではとか思うところもあるけど、新人以外の人が挑戦的作品を出版するのはそれだけで価値のあることだと思います。あと絵がかわいかったし作品にも合ってて良かったです。

 

覆面作家は二人いる 新装版 (角川文庫)

覆面作家は二人いる 新装版 (角川文庫)

 

昔の作品だな〜〜〜という印象。もちろん悪い意味でなく。一応ミステリーではあるんですが、トンデモ設定に負けないくらいどの登場人物もキャラがしっかり立っているので、そちらの方が印象に残っています。ラノベとはまた違うけど、子どもでも読みやすそうな軽めの作品。

あと絵がかわいい。

 

いけない

いけない

 

ホラーテイストのミステリー。面白いのは、各章末にある写真を見ると、というか細かく凝視した上で少し考えると、各章のホラーもしくは疑問符で終わった話がじわりと色を変えてくるところ。

ホラー系は得意でもないし好みでもありませんが、この写真の使い方と凝り方には本当に唸らされました。パッと見て全然意味が分からないのもありました…

 

【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

 

 

この本大好きになっちゃいました。今までで読んだ本の中でも上位50冊選ぼうとしたら確実に入ると思います。何回も読んで愛着ポイントが高まれば10位入りまである。

家族とか絆とかをそれっぽく書こうとするとどうしても正統派なお涙ちょうだいになるか薄っぺらいつまんないものになるかだと思うんですが、こうしたタイプの作品を書くのが非常に上手い人っていますよね。

小学生の時に読んだ『卵の緒』でも同じ読後感がありましたが、向こうは短編、こちらは長編。大変幸せな時間を過ごしました。そりゃ本屋大賞獲るわ。おめでとうございます。


どうにも月平均3冊ペースを抜け出せないですが、その分気に入った作品に出会えればいいのかなと考えてます。出会う確率上げる方法は多く読むことなんですけどね。

来月からはサボらないようにしたいですね。