先日公開されましたね。
まだ見てない人はとりあえず見ましょう。
この動画はポケモンソード・シールドのDLC第2弾『冠の雪原』の発売を記念して製作されたたった3分強の映像ですが、そんな枠には到底収まらない、渾身の一大映像作品となっています。
曲はBUMP OF CHICKENの新曲『アカシア』ということで、端的に言って良曲です。元々BUMPは好きですが、殊更知識があるわけではないのでポケモンファン目線で感じたことを書きます。
それでは。
映像は4人の少年が線路の上を歩いている様子から始まります。言わずもがな、初代『赤・緑』のスタート地点である主人公の部屋のテレビに映っている映像のオマージュです。ひいては、映画『スタンド・バイ・ミー』がモデルですね。
初代のスタート地点で流れている映像をそのまま持ってくるということは、この20余年に渡る歴史の最初、原点からこの映像がスタートするということでもあります。感慨深さが開始5秒で臨界点を突破してしまう訳ですね。
『スタンド・バイ・ミー』は名作も名作、これも見てない人は見ましょう。背景の森などもそのまま出てきます。
90年代風の絵柄で描かれるのは、ポケモンと共に成長する2人の少年少女。何とも羨ましい限り。
ポケモンファンにとって一番羨ましいのは、「ポケモンと生活できる」「日常にポケモンが自然と入り込んでいる」ことではないでしょうか。ポケモンのいる生活、ゲームをプレイしていても度々いいなあ…と嘆息することがありますが、どうやらその感覚は映画『名探偵ピカチュウ』で世間にも浸透したようです。
イマドキではない画風は、初代のポケモンアニメを彷彿とさせます。イーブイの顔は何か『ちゃお』とかそっち系ですね。読んだことないけど。
思春期真っ盛りの男の子と、感情豊かな女の子は幼なじみ?それともライバル? ポケモンの世界においてはニアリーイコールであることからも、一層そんな関係が読み取れます。
一瞬映り込む映写機?のようなもの。最初のスタンド・バイ・ミーを映しているようにも、少年少女の回想シーンを映像でなぞっているようにも見えます。
後ろで寝ているのは少年の母親?お姉さん?
まとめ画像は他人のを拝借
はい来ましたブチ上がりパート。少年少女が駆ける背景には歴代のジムリーダー・四天王・しまキング&クイーンたちがタイプ別に勢揃い。残念ながらチャンピオンやフロンティアブレーンはいません。
水・電気・ゴーストは皆のびのび楽しそう。クール系のデンジやマツバが押しのけられてムッとなってるのもかわいいです。
なぜか怒鳴ってるヤーコンが印象的な地面と対照的なのは岩の面々。ヒョウタせっかくの映像になんちゅう顔しとるんや…
氷・草は和やかな様子。ウルップやデントの表情がかわいくてこっちまでニコッとしちゃいます。
炎・ノーマル・格闘は元気な人たちの集まりなので勢いに溢れてる。タイプのイメージに合ってるけど、パワー!みたいな人たち多いな。
マイペースなフェアリー・ドラゴン。寝顔にも個性出ますね。
忍者親子とそれを見るクロバット(とノリが合わなそう?なホミカ)がかわいい毒、人数の多さに反してあまりにも動きのないエスパー。鋼の方がまだ動きあるんですが…
一丸となってバタフリーにテンションが上がってる虫の面々は四者四様にめちゃくちゃかわいくて、この中でもイチ押しです。
格闘組から飛び出てきたコルニに続き、最後に映る飛行は主人公の動きとも相まって何とも疾走感があります。
あと実はゴースト組の時に悪が枠外にひっそり出てくる演出、憎いですね。影のせいで一瞬スカル団出てきたかと思いました。地味にヘルガーとブラッキーが両方いるのもカリン好きの僕には嬉しいところ。ただ、彼等は闇に紛れて…というより、他よりも各々が確固たる信念を持った一匹狼的な側面があるので、もっと堂々と出してもよかった気はします。
実は公式ではなかなかこういう世代を超えたコラボって意外となくて、だからこそテンション上がる部分もあります。最近では、アニメで登場したサイトウに引っ張られてコルニやシジマが出てたのもなかなか趣深かったです。
え?こういうトレーナーのやつ好き?ポケモンもいいけど人物キャラとか人同士の絡みも大好き?
実は、そんなあなたにめちゃくちゃオススメのゲームがあって……最近1周年を迎えたポケモンマスターズっていうアプリなんですけど……
ソシャゲとしては色々物足りないところもありますが、ポケモンというコンテンツ自体のファンだったらやらない理由がないかなと思います。
背景ばかり見てると見落としますが、ここで少年少女がピカチュウやイーブイとはぐれてしまいます。地味に途中も結構色々あったような…
ビル?に映る伝説ポケモンたちの影。ライコウとデンジュモクが一番分かりやすい気がしたのでここ切り抜きました。
アニメのOPや映画の中でフルカラーで大きく動くのももちろんいいんですが、こうして一瞬で影だけ映るのもめったに出会えないポケモンたち感が増してすごくいいですね。
続いて映る影は、歴代の悪の組織のボスたち。こちらも表に出ない感じや風格が醸し出されて大変似合いますね。パートナーポケモン不在の不安感を煽られるような形。
悪の組織といえば、ウルトラサン・ウルトラムーンでサカキがウルトラホールを利用してレインボーロケット団の下に集結させたのは記憶に新しいところ。心なしかこのイラストでもサカキが一番目立つように描かれています。やっぱり小物臭もなくゲスすぎもせず、一番カッコイイ悪役してるしなあ。
さらに映る影は歴代主人公たち(ルビー・サファイア以降)のもの。世代順かと思いきや、厳密には少しだけズレてるところも。彼等は通常自分が主人公を務めるゲームの枠を超えて出てきたりつながることはないので、走るのに手を取り合ってるのが不思議な感じ…
ただし、上述のポケモンマスターズや、ポケモンを知らない人でもめちゃくちゃ面白くてポケモンを知ってる人ならたまらなく面白い漫画、『ポケットモンスターSPECIAL』通称ポケスペでは主人公たちが談笑したりタッグを組む場面も見られて激アツです。まあ流石に読んでない人がいなさそうだし、わざわざ紹介する意味も薄いか。
ここらへんでお互いはぐれたパートナーポケモンが入れ替わります。
ここから怒涛のカラー良演出。まずは各地方のチャンピオンたち。表情と構図が最高すぎて、ほう…って感じ。流石の風格すぎる。
ダイゴやシロナにこんな余裕のあるギラつき方されたら勝負の最中に武者震いゾクゾクきちゃうし、カルネは女優だけあって横顔が本当に綺麗。カイリューとかガブリアスも間違いなく強者の顔つきしてますわ…
そして何よりもここ、アデクとアイリスのハイタッチ!この映像全編を通して一番好きなシーンです。
世代交代や継承はポケモン全編、中でもソード・シールドで特に強く描かれるテーマのひとつですが、実はブラック・ホワイト(2)に登場するこの2人の関係性の中でも強く生きてきます。
ブラック・ホワイトでチャンピオンを務めるアデクはゲーム史上唯一主人公以外に負けるチャンピオンであり(初代ワタルはノーカン)、一目見て分かる通りチャンピオンには珍しく年配でもあります。
悪の組織との戦いはどの作品でも行われていることですが、相棒のポケモンの死を経てバトルから遠ざかり、悪の組織の王に負け、自分がトップに立つ地方は一時混乱を極めた… そんな中、隠居して後進に道を譲るにあたり、次の(ブラック2・ホワイト2の)チャンピオンに選ばれたのがアイリスでした。
アイリスは幼いながらも確かな実力を持ち、同時に天衣無縫とも言える爛漫さを持っています。ブラック・ホワイト(2)はポケモン史上でも稀有なシリアスさやダークさが目立つ作品で、主人公がイッシュを救った後もまだプラズマ団は生きていた…!となる世界の中、主人公がポケモンリーグの最後に出会う彼女の存在はこれからの希望を具現化したような存在として描かれています。
そんなアデクとアイリスはゲーム中では必要以上にかかわりを描かれることはありませんでしたが(アイリスがチャンピオンになるよう連絡を受けるのもシャガ経由だったり)、
裏ではお互い色々な思いを抱えながら(例えばアデクはアイリスを次のチャンピオンに指名したうえで自分が高い壁となれるよう鍛え直したり、アイリスは自分なりの信念を持ってその座に着いたり)その地位を通じてつながっています。ここら辺はブラック2・ホワイト2の「おもいでリンク」を見ると分かりやすいです。
このハイタッチにはそれだけの思いや背景が詰まっており、だからこそ顔を映さずともたくさん読み取れるものがあるのです。裏ではこんなやりとりがあったのかな…と思いを馳せると、むしろ手しか描かれていないことで2人の表情を自由に想像することが許されているとも言えます。
また、ブラック・ホワイトはポケモン史上唯一マイナーチェンジ版ではなく「2」という数字が冠された正式な続編が出ており、より「世代交代」「継承」といったテーマがストレートに伝わるものになっています。
おまけに言うと、星のエフェクトはチャンピオン アイリスとのバトル時の背景やBGMを想起させるものでもあり、コアなファンにも刺さります。歴代チャンピオン戦はどれもBGMが素晴らしいことで有名ですが、アイリスもまた然り。
主人公やライバルたちもカラーで登場。ダイパコンビ好きだな〜
グリーンやシルバーとは違い、作品を追うごとに友達・仲間感が強くなってますね。いずれにせよ高め合う存在。
来ました、激エモの1秒。ブラック・ホワイトから2年経って成長したのはチェレン・ベルも同じ。むしろこの2人はそれぞれ違う意味で幼かったのが、本当に大人になりました。
そして当然この並びは、3人が初めて自分のポケモンを貰って道路にはじめの一歩を踏み出した時の構図でもあります。ファンの心を揺さぶるには奇をてらう必要はなく、定番のポイントを的確に突いてくるだけでいいんです。分かってますね。
曲も裏声転調で盛り上がってきて「魂がここだよって叫ぶ」頃、一転して描かれるのはミュウツー。ご存知初代最強の伝説ポケモンにして、圧倒的に根強い人気を誇るポケモンです。
生命の尊さを描いたポケモン映画初作品『ミュウツーの逆襲』ではサカキの束縛を解いて暴れ回った場面がありましたが、ポーズも歌詞もしっかりリンクしていて最高の出番でしたね。
それに対峙するのはセレナとゲッコウガ。メガシンカを携えたミュウツーに対し、きずなへんげを持つゲッコウガという対面で、カロスを象徴するような構図に仕上がっています。
アローラ組も遅れて参戦。タイミングからして彼等らしい気もしますし、表情にいい意味で力が抜けますね。笑う前のミヅキのジト目もかわいい。
さっきまでのお気楽さどこいった。トウコの目に映るのはNとレシラム。そしてハイライトのないNの目に映るのはトウヤとゼクロム。トウヤもちょっと怖い感じ。瞳を通した演出も綺麗だし、落差も相まってシリアスさが際立ってかっこいい。この雰囲気がBWなんだよ。
続いてジョウト組。コトネを振り返ってふっと微笑むシルバーがたまらなく愛おしい。
尖った境遇からポケモンを道具としてしか見なかった出会いから、主人公との出会いを通じて少しずつ成長した彼の微笑は、こちらに「大丈夫だ」と語りかけているようでもあります。
そもそも後ろにいるバクフーンたちを見ても、彼の初めてのポケモンは盗んだものだったことを考えるとその成長ぶりが窺えます。まあ、強さだけを求めていても進化はするんですが…
ただこういう時ってゴールド(ヒビキ)にバクフーンが似合いすぎることから、あるいは準悪役ライバルとしての立ち位置から、必ずオーダイルか御三家以外のポケモン(ニューラやホウオウ)を待たされがちなんですが、3体とも控えさせてるのってめちゃくちゃ珍しいような。多分初めて見ました。
さらにホウエンの2人。エメラルドカラーなのいいですね。後ろから追ってきているのはおそらくミツル。主人公ながらに追いかけられる立場というのも不思議な感じ。
き、きたああああああ!!!!チャンピオン枠で出さないと思ったらここで来たか!と誰もが思ったことでしょう。しかもフルチーム!めちゃくちゃかっこいい。
あとどうでもいいけどナッシーじゃなくフシギバナなんですね。
上にも書いた通り、最近やけに友好的なライバルが多いので忘れかけてました。ライバルってこのくらいギラギラヒリヒリしてるやつだった…!顔の圧が強くてかっこいい。
街を出ようとしたりジムに挑もうとしたりすると突然現れてこちらをボコボコにしてくる彼が懐かしいです。今のライバルは何かと道具をくれたり果てはこっちの手持ち回復してくれますからね…
ア…何かいる…
金銀クリスタルをやったことのある人間なら誰もがここで震えます。シロガネやまの雪景色が本当に似合うなこの無口は… あとグリーンがフシギバナ持ってるのに対してカメックスとリザードン両方持ってるのか…
リビングレジェンドに気圧されるのは最早仕方ないのですが、初代の神格化によって2代目主人公がいつまでも格下ポジションを抜け出せないのは少しかわいそう。まあレッドが異質すぎるので全く異論はないんですが。
カメックスに押されているバンギラスは、最終ダンジョンとなるシロガネやまで初めて出会うヨーギラスの進化系。バンギラスといえばゲームの対戦でも全世代通して強いという壊れポケモンですが、手持ち的にはニューカマーであろうバンギラスを、おそらく32番道路とかで出会ってメリープの頃から共に歩んできたと思しきデンリュウでフォローする流れが何ともアツい!タイプ相性的にはそりゃそうみたいなところはあるけど。電撃と共に飛び出してくる登場もめちゃくちゃかっこいいです。
最後の締め方まで綺麗。間違いなくNo.1ポケモントレーナー。まさしく原点にして頂点。
風に舞ったレッドの帽子は女の子のところへ。
後ろにカイオーガの影も映り、続けて男の子側にはグラードンの影が。あくまで背景とはいえどんどん巻き込まれ方が壮大に。
ここのシーンからガラルへ。地図を表してるようには見えないのでよく分からないんですが、多分そういう意味合いのターニングポイント。違ったら恥ずかしいけど。そう思って見ると後ろがザシアン&ザマゼンタカラーに見えますが、あまり関係ない気もする。
やっと出てきたガラル組。飛んでるロトム(ゲームだと対戦時スタジアムにカメラ写してるやつ)がジムリーダーを回ってカメラに収めていきます。
多かったので割愛してるんですが、やっぱりカメラ写りといえばキバナしかいないでしょ。自撮りのイメージが強いし、最早フレームのマーク?カーソル?が似合ってるまである。
あとこのマリィの表情が不意打ちでかわいすぎたので、ライバルたちを代表して掲載。悪タイプ使いのふいうちは強い。合間のダンデもかなりかっこよかったけど次出てくるので割愛。
ホップ!からのダンデ!この兄弟並びは熱い。
ホップもまあたくましくなって…立派に成長しました。バイウールー入ってるの見るだけで泣けるやつ。
ダンデの方は絵としては統一感いいんだけど、ポケモンとしては何かバリコオル浮いてない?あとリザードンの圧がヤバすぎてホップの手持ち全員焼かれそう。
ジムバトルの際に着用するユニフォームの背番号は227。これが初代の発売日である1996年2月27日を示唆してないとしたら何なんでしょうか。
エースバーンはしっかりキョダイマックス。炎御三家同士のキョダイ技撃ち合いが熱い。迫力あるバトルを見せて盛り上がるという点で、ソード・シールドのスタジアム設定は最高です。
宙を舞う帽子で勝負の結末が分かるの泣けますね。勝っても負けてもチャンピオンポーズ。並行世界の主人公。王冠を脱ぎ捨てても、彼は紛れもないチャンピオンです。
パートナーが入れ替わった状態で再会する少年少女。女の子の髪型が個性強くてずっと気になってたんですが、どうやら初代のCMに出てきた女性のオマージュらしいです。さすがに気付けませんでした。
ザシアンとザマゼンタの「ただの犬」感めっちゃ好きです。大あくびしたり、かっこいいのにどこか隙があるところが彼等の魅力でもあると思います。
急にカメラが後方に展開。え、ビデオ?と思ったら、2人を見守る博士たちの姿が。
子どもが主人公となるポケモンにおいて、道中見守ってくれる大人は親をはじめ何人かいますが、博士はその代表格。それこそ親心のようなものがオーキドの目線に感じられます。
後ろのウツギとククイの絡みも最高。願わくば他の細かい博士たちも出してほしかったですがしょうがないか… あ、ウカッツは論外で。
御三家大集合!ひたすらにかわいい。もちろんガラルの3匹も。
曲も終わりに近づき、少年少女はそれぞれのパートナーを肩に乗せて歩き出します。それぞれに初代最強のトレーナーとガラル最強のトレーナーの帽子が渡っているのが何ともエモーショナル。
奥のスクリーン?に映っているのはモザイク化されたDLCの舞台でしょうか。マスター道場が分かりやすいですね。連綿と続くトレーナーとポケモンたちの物語を受けて、今新たな舞台に旅立とうとしている様子が伝わってきます。完全に忘れてましたが、これ自体そもそも冠の雪原のプロモーションを兼ねてましたね。
最後はサブウェイマスターとバトルシャトレーヌが登場。いずれも表舞台に目立つ機会は少ないものの、根強いファンがいるキャラクターたちです。最近ではポケモンセンターからノボリとクダリのグッズも出ましたね。忘れられてなかった。
最後に姿を見せたのはすべてのポケモンの始祖とされ、全ポケモンの中でも最も特別とされるポケモン、ミュウ。
「すべてはミュウからはじまった」というキャッチフレーズの映画もありましたが、そんなミュウが飛び去って…
少年がボールを投げ…
GOTCHA!からのエンドロール。終わったかと思いきや…
ソファで映像を眺める女性とワンパチ。序盤に登場したソファで寝ていた女性ですね。メタ的には僕たち視聴者を表しているキャラと見ることもできますが、隣にワンパチがいるのがポイント。最初に映った時もピカチュウと並んでいたので当然ではありますが、彼女もまたポケモンと生活を共にする人=ポケモン世界の住人であることが分かります。
ずっとうとうとしていたものの、元気に尻尾を振っていたワンパチに吠えられて目を覚ましたところで映像はおしまいです。ポケモン世界という夢から現実に戻ったというオチかと思いましたが、だいぶ寂しい解釈になるので多分違うと思います。起きてもワンパチはいますしね。
どちらかといえば、今まで続いてきたポケモンのストーリーを振り返って、さあ次へといったところでしょうか。女性が母親であるなら、お母さん目線で少年たちのドタバタを見ているのは、かつて少年少女だった僕たち(主人公)の思い出や活躍を大人になってからの目線で振り返っている形とも捉えられます。
いずれにせよ、メインの物語は少年少女が歩いているところで終わっているので、そんなに深い意味はないのかもしれません。
だいぶ長文になりましたが、いかにこの映像のクオリティが練り込まれているか、僕の分かる範囲でまとめられたと思います。多分気付いてないところや解釈が割れる部分もあると思いますが…
一応歌詞にも触れておくと、
NEWS | BUMP OF CHICKEN official website
「いつか君を見つけた時に 君に僕も見つけてもらったんだな」
「隣で 君の側で 魂がここだよって叫ぶ 泣いたり笑ったりする時 君の命が揺れる時 誰より 特等席で 僕も同じように 息をしていたい」
「君の一歩は僕より遠い 間違いなく君の凄いところ 足跡は僕の方が多い 間違いなく僕の凄いところ」
明らかにポケモンと人間の関係性、絆を意識して当て書きされています。ポケモンの大きさや歩幅は千差万別ですが、PVに合わせて見るならポケモン目線と捉える方が自然かと思います。
「透明よりも綺麗な あの輝きを確かめにいこう そうやって始まったんだよ たまに忘れるほど強い理由」
歌い出しの歌詞は、冒険に旅立った時の気持ちでしょうか。ゲームでは何かしらの理由づけを経てポケモン図鑑の完成を目指したり、ポケモンリーグへの挑戦を目指して旅をすることになりますが、実際には取ってつけたような「目的」なんてないことの方が多いでしょう。
新しいものを見たい、ポケモンと一緒にいたい… ポケモンとの話に限らず、最初の気持ちは意外なほどシンプルでまっすぐなのかもしれません。
「君がいる事を 君に伝えたい そうやって始まったんだよ」
サビでも「君」が多用されつつ、最後は強い存在の肯定で締められます。絆や存在の肯定といったメッセージはポケモンの中で常に語られていることでもあります。
例えば、映画『ミュウツーの逆襲』の最後で、記憶を失って何でここにいるのかを問うサトシに対し、「さあ?いるんだからいるんでしょうね」と返すカスミの発言は、肯定の最たる例かもしれません。
そして最後にタイトルの「GOTCHA!」について。
英語で「捕まえた!」つまりは「ポケモンゲットだぜ!」を表すセリフです。すべての冒険はポケモンを捕まえることから始まるため (人からもらうことも含め)、この言葉は冒険の始まり、あるいは仲間が増えることや物語が進行することにつながっています。
ある意味、ボールからポケモンを繰り出す時の「きみにきめた!」の対をなすセリフと言っていいかもしれません。
そこまで深読みすると、ポケモン映画の記念すべき20作品目のタイトルが「ポケットモンスター キミにきめた!」であったことなんかにも考えが及びます。この作品自体、過去のサトシの冒険をオマージュする形でなぞりつつも、テレビで放送中のアニメとの関わりを一時的に絶って、今年まで続く新たなポケモン映画の潮流を作り出した存在でもあります。偶然かもしれませんが、奇しくも「GOTCHA!」は似た役割を担っているようです。
すべてのポケモントレーナーにはそれぞれの冒険があり、そのキャリアが長い人にはその分多くの思い出があります。
この映像は、そんな思い出を呼び起こし、つなぎ、そして新しく昇華させてくれるような作品だったと思います。だからこそ圧倒的な反響を呼び、ポケモンやBUMP OF CHICKENといった強コンテンツの力以上に、人々に響くものがあったのではないでしょうか。
感想・解説記事としては何番煎じですが、書いてて楽しかったです。ちなみに僕は10/23に有休をとりました。
今後もポケモンがファンを魅了し、愛されるコンテンツであることを願ってやみません。
GOTCHA!