げんろんのじゆう

人生は与えられたカードでの真剣勝負

読書録 20/3・4

3月は2冊、4月は9冊読みました。

 

人間失格 (新潮文庫)

人間失格 (新潮文庫)

 

言わずと知れた作品だけど、むかーし読みかけてそのまま読んでなかったやつ。クズ主人公(≒太宰自身)に何なん…と思う一方、世間と価値観が違うことによる苦悩や葛藤は分かる部分もあり。僕の生涯も恥多きものなので。人間の浅さと深さが同時に描かれている作品だったように思います。

 

人は見た目が9割 (新潮新書)

人は見た目が9割 (新潮新書)

 

新書を代表するような過激なタイトルだけど、見た目=顔、ルックスだけを意味する訳ではありません。「人は55%の情報を視覚から受け取っている」というメラビアンの法則に始まり、しぐさや匂い、タイミングや表情といったものについて語られます。

心理学・社会学・演劇などのメディア…と幅広い視点から語られる内容は、人文系でない人が読んでも面白い。当然人文系の僕にはクリーンヒット。そして大ヒットしたのも納得なほど読みやすい。

結構聞いたことのあるデータやエピソードも多かったのですが、むしろこれを発端として有名になった話がほとんどなのかなという印象です。それを踏まえ、刊行が2005年というのを見ると良い意味で非常に衝撃。実用書というよりは読み物に自己啓発が+αされた感じですが、一度は読んで損はないと思います。

 

和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)

  • 作者:坂木 司
  • 発売日: 2012/10/11
  • メディア: 文庫
 

純朴な少女が和菓子屋で働き始める中で成長していく、爽やかな日常ミステリ。登場人物の語る説明からは、和菓子の持つ奥深さと美しさ、そして美味しさがものすごく伝わってきます。もちろんストーリーも面白く、言うことないです。続編も読みたい。

和菓子といえば普段せんべいか羊羹くらいしか食べないのですが、これは季節ごとにチャレンジしなければいけないぞと思わされてしまいました。でもデパートとかならともかく、町の和菓子屋さんに一人で入るのってやっぱりちょっと勇気いりますね。

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
 

書評で絶賛されてたので購入。イギリス在住の作者が息子の学校生活を題材に書いたノンフィクション。イギリスの「リアル」な生活感を読んでるだけでも楽しいですが、主人公ともいえる息子の考え方にハッとさせられることも。

ただの嘘松(スカッとするコピペ)っぽい息子自慢のように感じさせないのは、彼の少年らしいまだグリーンなところがかわいげとして良いアクセントになっているからでしょうか。タイトルにもなっているエピソードと最後の章の〆がオシャレ。

 

夜行観覧車 (双葉文庫)

夜行観覧車 (双葉文庫)

  • 作者:湊 かなえ
  • 発売日: 2013/01/04
  • メディア: 文庫
 

人の弱い部分(特に自分では気づかない部分)がたくさん詰まった話で、イヤミスとして見ればいいのか、事件の後に希望を残す話として見ればいいのか分からない作品でした。個人的には一部の登場人物へのイライラがすごかったのと、タイトルの回収も弱く感じて、あまりピンと来ませんでした。

 

剛力彩芽EXILEの人がやってるドラマ見たなーと。感想としては本の方が良かったです。

思ったよりラノベっぽくなかった(とりあえず萌え絵的な挿絵はなかった)のと、全体を通して本という小道具の使い方が上手かったのが高評価です。軽いは軽いですが、読みやすく綺麗にまとまってるなと思いました。続編も入手したのでそのうち読みます。

 

星の輝き(上)

星の輝き(上)

 
星の輝き(下)

星の輝き(下)

 

名前は知ってるけど読んだことなかった作者。一人の女性が不動産業を通して成り上がる様を描いた話で、表紙カバーの折り返しにあった感想どおり、ジェットコースターのような展開でした。エンタメ全開でとても読みやすい。他にも有名な作品を読みたいところです。

女性の成り上がりものという意味で被っているところが多く、漫画『女帝』が序盤からチラつきました。何年か前にアプリで全巻読んだのですが、こちらもかなり壮大で面白かったです。

女帝 1

女帝 1

 

 

 

逆ソクラテス

逆ソクラテス

 

My favorite writerの新作。先入観を共通テーマとした短編5篇。どれも面白かったのですが、切ない部分やもどかしい部分がそのままになっており、最後に全編通じての伏線回収とか来るかと思いきや意外とあっさり終わってしまったのでそこは拍子抜け。普通なら短編ごとに余韻を味わうので十分なのですが、作者が作者だけに余計な(的外れな)期待をしてしまった感じでした。

小学生が主人公だったりややビターな終わり方もあったりと伊坂幸太郎にしては珍しいポイントもありましたが、特有の名言や節回しは健在で良かったです。キャッチコピーの「伊坂幸太郎史上最高の読後感」に対しては正直ハテナですが、特に前2篇は普段とは違ったテイストも味わえていい感じです。

 

シャドウ (創元推理文庫)

シャドウ (創元推理文庫)

  • 作者:道尾 秀介
  • 発売日: 2009/08/20
  • メディア: 文庫
 

ザ・道尾秀介って感じのどんでん返し。その可能性も想定はしたものの、いやマジでそう来るのかやられたわ…って感じ。話自体は結構悲しい部分も多いですが、エンタメ(ミステリー)としてもジュブナイルとしてもいい作品でした。

 

コンサル一年目が学ぶこと

コンサル一年目が学ぶこと

 

コンサルでも1年目でもないけどたまには自己啓発しとくかということで。書いてあること自体はいい意味で本当に基本のエッセンスが詰まっていて、自分が散々言われてきたことや身をもって学んできたことに重なる部分が大変多かったです。筆者の過去エピソードはどれも忙しくて大変そうでしたが、自分はまったりだなあと複雑な思いに駆られつつ、同時にちゃんと育ててくれてるいい職場に当たったなあとも思いました。

今の自分としては大事なことやできてないことを諸々再確認できた意味が大きいですが、今後も折に触れて読み返さないとと思います。世の中に溢れかえってるこの手の本と比較してどうということは言えませんが、分かりやすいしある程度説得力を持って話してくれるので若手社員ならどんな人でも読んでおいていいんじゃないでしょうか。

 

 

stay homeのおかげで読書の時間が増えました。動画とか映画見たりゲームしたり通話したりしながらこれだけ読めるってマジで外出てないんだなと。インプットもインドアもいいけど早く身体動かしたいなあ。